生きて行くためには敵を出し抜くしかない。金持ちになれるかは、先ず第一に、騙しの技に懸かつている。金持ちは貧乏人より、騙しの技が上手なのだ。
上流階級、特に役人には良く当てはまる。
買い物をする時は、お釣りを誤魔化されるのが普通だ。抗議すると少しよこす。未だ足りないと言うと更に少し出す。最後に強く迫ると漸くちゃんと出してくる。
商売では、嘘を平気で言つてのける。土台、支那では言葉には何の意味もない。
又、金も懸からないから、言葉を湯水のように使う。圧倒的多数の人の言葉は信用できないのが此の暗黒大陸なのだ。
顕微鏡でも使わなければ、言行一致なる者は見つけることはできない。
1933年に出版された著書である。現在は、政治体制も経済状況も大きく変わつたが、本書で語られる国民性、役人の姿が殆ど此の通り現在の支那にも当てはまる。
嘘を平気で吐く、他人を信じない、家族と仲間以外の命を何とも思わない。拷問好き、宗教を信じない、金が全てで、衛生観念が皆無。
支那人が他の民族と余りにも違い過ぎることには本当に驚かされる。
ラルフ、タウンゼント。1900~1975。アングロサクソン系アメリカ人。
コロンビア大学卒。新聞記者、コロンビア大学英文科教師を経て国務省に入る。
1931年、上海副領事として中国に渡る。満州事変に伴う第一次上海事変を体験。後に、福建省の副領事として赴任。
1933年初めに帰国。外交官を辞め、大学講師の傍ら、著述と講演活動に専念。親日派の言論を展開したため、真珠湾攻撃後は一年間投獄される。
5冊の著作全てに、極東アジアに関する鋭い知見を披露している。